日本の「核燃サイクル」の懸念
東京新聞(2018.7.2 )
As the closest of allies, we do have a obligation for transparency, for both of us to be very clear about the nonproliferation
concerns, the security concerns, the economic concerns that go along with choices
in fuel-cycle policy.
最も身近な同盟国として、「核燃料サイクル政策をどうするのか」という懸案に関し、この問題は「核不拡散(NPT)」、「安全保障」、「経済問題」に深く関わってくる理由からも、日米双方が透明性を保っておく義務があります。
And so we seek to be as transparent as we can with each other and with Japanese people about those choices.
そして、できうる限り「双方が透明性を保つ」その姿勢は、日本国民にとっても、この問題がオープンであることを望むものなのです。
「経済的なリスクが高い。プルトニウムはウランより扱いが難しく、管理や安全対策の費用がかかる。ウランと混ぜてつくるMOX燃料も想定より高価。続ければ(電気代や税を通じ)消費者や産業界の負担が増す。
----なぜいま問題視するのか。
「核燃料サイクル政策の前提が変わったから。当初は原発の燃料となるウランが希少資源とされ、使用済み核燃料を再利用する必要があった。現在ウランは豊富にあることがわかっている。東日本大震災以降は原発の再稼働が進まず、新設も難しい。日本のプルトニウムがいつつかわれるのかわからなくなった」
「在任中は、何度も日本政府と削減策を協議した。米政府を離れたいま、よりはっきりと、日本は核燃料サイクルから完全撤退すべきだと言える。」
------日本のプルトニウム問題が核不拡散にどう影響するのか?
「米朝間の非核化交渉にも影響する。 北朝鮮にプルトニウム抽出やウラン濃縮をあきらめさせようとしても、同国から『日本はやっている』といわれてしまう。米国が北朝鮮の完全非核化を目指すにあたり、日本の核燃料サイクルはますます許容しがたくなっている。」
「他の国でもサウジアラビアをはじめ、米国と原子力協定を結ぼうとする、どの国も『日本に認めているのならわが国も』と求めてくる。日本の余剰プルトニウムへの懸念は、オバマ政権もトランプ政権も同じだ。」
-----日本は具体的に何をすれば。
「東アジアで核燃料サイクルの凍結を呼びかけるべき。日本の中国や韓国との信頼構築につながり、米国も北朝鮮とより強い立場で非核化を交渉できる。非核化協議への大きな貢献にもなる。」
「先日、与野党の国会議員にも提案したが、原発への賛否は差し置いて、核燃料サイクルの費用を調査することを勧める。プルトニウムを減らす計画も新たに作るべき。」
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国務省で2011年9月に次官補(安全保障・核不拡散担当)に就任。2016年10月から次官代行(軍縮・安全保障担当)を兼務。2017年1月に退任 現米シンクタンク「軍備管理協会」会長。1957年、ワシントン州タコマ生まれ。
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