Sunday, June 24, 2018


沖縄慰霊の日 翁長県知事「平和宣言」
Okinawa Peace Declaration by Pr.Governor Onaga



二十数万人の尊い命(いのち)を奪い去った地上戦が繰り広げられてから、
73年目となる623日を迎えました。

私たちは、この悲惨な体験から戦争の愚かさ、命(いのち)の尊さという教訓を学び平和を希求する「沖縄のこころ」を大事に今日を生きています。

戦後、焼野原となった沖縄で、私たちはこの「沖縄のこころ」をよりどころとして、復興と発展の道を力強く歩んできました。

しかしながら、戦後実に73年を経た現在においても、日本の国土面積の約0.6%にすぎないこの沖縄に、米軍専用施設面積の約70.3%が存在しつづけており、県民は、広大な米軍基地から派生する事件・事故、騒音をはじめとする環境問題に苦しみ、悩まされ続けています。

昨今、東アジアをめぐる安全保障環境は、大きく変化しており、先日の米朝首脳会談においても、朝鮮半島の非核化への取り組みや平和体制の構築について共同声明が発表されるなど、緊張緩和に向けた動きがはじまっています。

平和を求める大きな流れの中にあっても、20年以上も前に合意した辺野古への移設が普天間飛行場問題の唯一の解決策といえるのでしょうか。
日米両政府は現行計画を見直すべきではないでしょうか。

民意を顧みず工事が進められている辺野古新基地建設については、沖縄の基地負担軽減に逆行しているばかりではなく、アジアの緊張緩和の流れにも逆行していると言わざるをえず、全く容認できるものではありません。

「辺野古に新基地を造らせない」という私の決意は県民とともにあり、これからも微塵もゆらぐことはありません。

これまで、歴代の沖縄県知事が何度も訴えてきたとおり、沖縄の米軍基地問題は、日本全体の安全保障の問題であり、国民全体で負担すべきものであります。

国民の皆様には、沖縄の基地の現状や日米安全保障体制の在り方について、真摯(しんし)に考えていただきたいと願っています。

東アジアでの対話の進展の一方で、依然として世界では地域紛争やテロなどにより、人権侵害、難民、飢餓、貧困などの多くの問題が山積みしています。

世界中の人々が、民族や宗教、そして価値観の違いを乗り越えて、強い意志で平和を求め協力して取り組んでいかなければなりません。

かつて沖縄は「万国津梁(しんりょう)」の精神の元、アジアの国々との交易や交流を通し、平和的共存共栄の時代を歩んできた歴史があります。

そして、現在の沖縄は、アジアのダイナミズムを取り込むことによって、再び、アジアの国々を絆(つな)ぐことができる素地ができており、日本とアジアの架け橋としての役割を担うことが期待されています。

その期待に応えられるよう、私たち沖縄県民は、アジア地域の発展と平和の実現に向け、沖縄が誇るソフトパワーなどの強みを発揮していくとともに、沖縄戦の悲惨な実相や教訓を正しく次世代に伝えていくことで、一層国際社会に貢献する役割を果たしていかなければなりません。

本日、慰霊の日に当たり、犠牲になられた全ての御霊(みたま)に心から哀悼の誠を捧げるとともに、恒久平和を希求する「沖縄のこころ」を世界に伝え、未来を担う子や孫が心穏やかに笑顔で暮らせる「平和で誇りある豊かな沖縄」を築くため、全力で取り組んでいく決意をここに宣言します。





平成30年(2018年)623
沖縄県知事 翁長雄志


平和の詩「生きる」
音声Voice
  【沖縄戦】
太平洋戦争末期、1945326日から623日に至るまで、沖縄は日本国内唯一の「地上戦」の舞台となった。
3か月、日本軍人94千人、沖縄住民94千人、米軍1万2千人が戦死するという、世界の戦争史でも、最も激烈な戦闘であった。

その死者の数については、いまだ、一人一人が、一つの岩かげで、草かげで何が起こったかは、語りつくされていない。
そしてその体験は、近代国家の軍隊は人間とその生活を守るものではなかったことを、沖縄の人々に焼き付けた。

沖縄の祖国復帰運動が盛り上がるころ、日本本土では70年安保闘争のあとの虚脱からか、平和憲法の空洞化が言われ、平和思想を沖縄の復帰運動に学ぼうということがしきりにいわれた時期があった。
戦争を経験し、平和願望をようやく思想化し、遅ればせながら平和憲法のもとに帰ろうとした沖縄県民と、大事な平和憲法を空洞化の危機にさらさせていた日本本土の思想の落差に、「近代化」ということの意味の深淵がのぞく。

戦争の無意味さを皮膚感覚として身につけた沖縄の人々にとって、
「昔から平和であった沖縄の、この美しい空の下で、この青い海の上で、戦争につながる一切のものを拒否する『24万の生霊』の血がしみたこの島を、平和を築く原点としたい。」との想いは切実である。(ひめゆりの塔をめぐる人々の手記)



former pre.gov.Onaga's son(Takeharu.O) is  an active politician as well
Nuclear and the Humankind cannot Co-exist Nuclear Victims Forum  / 竜安寺石庭 Ryoan Temple Stones Garden                 

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